技術情報・事業者向け情報
Cityroamでは、できるだけ広範囲で、様々な組織が参加できるように、運用体制づくりを進めています。もしこのウェブサイトを見て、若干合わないかもしれないと思われた場合でも、お気軽にご相談ください。新規のユースケースの開拓や、調整の可能性があるかもしれません。(→連絡先)
基本使用
Cityroamは、無線LANローミング・フェデレーション(連合)として、利用者認証の情報を安全にやり取りできる認証連携基盤を提供します。Cityroamの認証連携は、eduroamの技術仕様をベースにしており、汎用性の向上と次世代ホットスポット/Passpointの対応のために、若干の拡張を加えたものです。具体的には、以下の仕様に基づいています。
- ・The eduroam Architecture for Network Roaming (RFC 7593)
- ・eduroam Compliance Statement(日本語参考訳)
- ・Wireless Broadband Alliance(WBA) Wi-Fi Roaming Standard - WRIX(ローミング費用の精算に関する仕様 WRIX-d/f を除く)
- ・大規模認証連携システムの実現に必要なRADIUS属性値からなる、Cityroam独自の拡張仕様
上記の基本仕様のほか、連携する外部の事業者の技術仕様に合わせるために、追加の属性情報が使用されることがあります。Cityroamが提供するOpenRoamingのサービスは、以下の仕様に基づいています。
Cityroamは、セキュアなフリーWi-Fiのためのローミング基盤を志向しており、事業者間でのローミング費用のやり取りを仲介するような仕組みは提供しません。このため、OpenRoamingの二つのモデルのうち、ローミング契約が不要な settlement-free model のみをサポートしており、settled model は提供していません。(ローミング費用やり取りが必要な場合は、事業者間の直接契約が必要です)
用語定義
ANP (Access Network Provider) 基地局を設置して、利用者に無線アクセスサービスを提供する事業者。eduroamのSP (Service Provider)に相当する。
IdP (Identity Provider) 無線アクセスの認証に用いるID (アカウント)を発行し、認証処理を行う、設備ないし機関。
Cityroamの参加機関は、ANPのみ、IdPのみ、または、ANPとIdPの両方を担当します。
Cityroamの参加条件
Cityroamの認証連携基盤は、eduroamを包含する形で構築されています。
ANPとなる機関は、日本のeduroamのとりまとめ機関である国立情報学研究所が提供するeduroam JPにSP事業者として参加する必要があります。(会議場などの一時的な基地局の運用を除きます)
ANPまたはIdPとなる機関は、原則として、電気通信事業者、または、これに準じた運用が可能な学校・大学・公共施設等に限定されます。
IdPのサービスのみを提供する機関や、ANPにもなるが発行アカウント数と比べて著しくバランスを欠いた少数の基地局しか提供しない機関については、参加が認められないことがあります。十分な数の基地局を提供するANP事業者と連携することを推奨します。
CityroamはフリーWi-Fiの利用形態を前提としているため、ANPにならずに、利用者にアカウントを有償配布する形態の事業は、原則として認められません。アカウント配布に係る手数料を求めることもできません。アカウントの発行・配布は、利用者に対して無償で実施するか、別の主要な有償サービスと比べて十分に割合の小さな付加的サービスとして実施する必要があります。Cityroam (OpenRoamingを含む)のアカウント発行が有償サービスの主要な価値とみなされる場合は、事前に協議・調整が必要です。
プライバシー保護について
公衆無線LANにおけるプライバシー保護は、一般に、ネットワークアクセスを提供する事業者 (ANP, アクセスネットワークプロバイダ) と、アカウントを提供する事業者 (IdP, アイデンティティプロバイダ) の、双方のプライバシーポリシーの影響を受けます。
Cityroamでは、プライバシー保護が主としてIdP側のポリシーに依存しています。これは、「ANPがIdPの協力なしに個人情報を取得することが難しいようなローミングの仕組み」を採用しているためです。もし行く先々でポリシーが大きく異なると、せっかくのローミングの利便性が損なわれることになるでしょう。このような問題を避けるため、ローミング環境では、ANP側のポリシーの差が小さくなるように配慮されています。
利用者から見ると、アカウントを提供する事業者、すなわち利用者に近いところで、プライバシーポリシーや利用規約に同意することになります。利用者は各自の好みに応じて事業者を選ぶことができます。プライバシーのコントロールが利用者の手に近いところにあるとも言えます。
Cityroamの参加事業者は、電気通信事業者およびそれに準じるものに限定されており、通信の秘密、個人情報保護の義務が課せられます。
Cityroamが連携しているローミング基盤のプライバシーポリシー文書は、以下の通りです。
これ以外については、アカウント (プロファイル)を入手する際に事業者から提示される文書を参照してください。
eduroam
eduroamの運用は、eduroam Compliance Statementによって技術面が規定されています。国内基盤は、eduroam JPの規程類に従います。
国際的なプライバシーポリシーは策定されていないものの、GÉANTから公表されている文書があります。欧州独自の記述が含まれていますが、大部分は国際的にも共通する内容となっています。
OpenRoaming
OpenRoamingは、幅広い構成が許されているために、プライバシーポリシーにも幅があります。基本的なレベルを定めるために、ベースラインとなるプライバシーポリシーと利用規約が策定されています。